2022年のできごと

今年のできごとを記録していくブログ。食べ物、ヘルシー、美術、文学、ファッション、なんでもかんでも。

村上春樹作品がなぜ好まれるのか

好きな作家の話になると、村上春樹さんの作品が好きか嫌いかという話題は結構出ると思う。私はこの話題を積極的にはしないけど、相手がその話をしてきたら応じるようにしている。

私は村上春樹さんの作品は好きだ。

ただ、面白いことにこの話題を出してくるタイプの人は、大抵彼の作品が好きではないことが多い。好きか嫌いかで、ある意味相手を判断しているところがあるのかもしれない。本当の読書、文学好きか、ミーハーなのかも探っているのかもしれない。

 

なぜ好きなのか、どこが好きなのか?と言われると、うまく回答できないことが多く、私もミーハー的に好きだと言っている気がしているが、私は彼の作品を好む理由は以下の通りだと考えた。

 

・文体の中毒性

独特な言い回し、文体にかなり個性があり、その個性を反復して文章に取り入れていると思う。そのため、最初に読んだ際は、他作品との違いに気付かされながら読み進め、読み終える頃には文体にすっかり慣れる。さらに他の作品を読むことで、この文体の中毒性に取り込まれていく感じがする。好みの食べ物に一度ハマると、習慣的に買いたくなる感じに似ている。

 

・会話とリズム

文体にも関連するが、とにかく非常に読みやすい。特に人物の会話や思考場面では、発言や考えが映画やアニメのようにテンポ良く展開されている印象。中身や意味よりもその言葉のリズム感を大事にしている気がする。そのため、多少意味がわからなくても、なんとなく気持ちよくおしゃれな雰囲気を醸し出しながら読み進められる。これは映画を観た際に、ぱっと見でその映画がおしゃれで雰囲気が良くて好みかどうかがわかる時の感覚に近い気がする。映画のメッセージ性や物語の意味はそこではあまり関係ない。

 

・言葉が簡単

読みやすさの理由として、そもそもの日本語が簡単であることも言えると思う。ひらがなも多いし、会話も多い。難しい日本語は少ない。ということで、本を読みながら意味を確認したり止めたりすることはない。なので、あまり本を読まない人でもなんとなく読了できるというのが魅力。

 

・日常の描写

日本人の好みなのか、日常や自然描写をかなり細かく描いている作品が多い。くだらない電話、アイロンがけ、洗濯、料理、仕事、無職など、普通の人が生活する中で発生するであろうシチュエーションが多く、それを主人公が気楽にやり過ごす感じが親しみやすさを感じさせてくれる気がする。

他にも理由はあるが、上記が私の考える好みのポイントだ。